"きみのことが好きでした"

卒業アルバムの隅に書かれた愛の告白。


名前のないそれは紛れもなく彼の字だ。

桜の降りしきる中、笑顔で別れを告げた彼の。


(今まで気付かなくってごめんね、返事を返さないでごめんね)

(今となっては遅いけれど、わたしもあなたのことが好きでした)




その日わたしは久しぶりに声をあげ、子供のように泣いた。