ぼくはね、死ぬときはね、きみのそばで死にたいの。
昔、母親にされたみたいにね、きみの胸に顔をうずめて死にたいの。
ふかふかで温かなきみに抱っこされて、名前を呼ばれながら死にたいの。


だからね、ぼくがきみの知らないどこか遠い所で死ぬことになったらね、きみのもとにゆくからね。
誰かにおなかを刺されたら、血を流しながら走ってゆくね。
ガンかなんかの病気になったら、病室抜け出して会いにゆくね。
どんな状況になっても、ぼくはきみのもとに絶対絶対ゆくからね。
そん時は驚かないで、わらってぼくのこと受け止めてよね。
そんでもって、がんばったねってぼくの頭を撫でてね。


あ、もちろんきみが死ぬときはぼくが抱っこしてあげるからね。
たとえばぼくがきみより先に死んだとしても、黄泉の国から迎えにくるね。
かえりみちは手つないで、ぼくがいなくなったあとの世界のはなしをしてね。
そのとききみの口から語られる世界が、光に満ち溢れていたらいいな。


そんでいつかね、いつかぼくたちが生まれ変わる日がきたらね、もういちど巡り会いたいの。
おたがいのこと覚えてるはずないだろうし、もしかしたら一生会うこともないかもしんないけどね。
いちおう約束だけはしておきたいの、もしかしたらかみさまが叶えてくれるかもしれないからね。


(所詮は叶うはずもない戯言だってわかってはいるけどね)